ローレンス・アルマ・タデマ
Sir Lawrence Alma-Tadema ( 1836-1912 )
ラファエル前派

テピダリウム(微温浴室)にて  In the Tepidarium
2nd of August 1881
Opus 229
Oil on canvas
24.2 x 33 cm
レイディ・リヴァー・アート・ギャラリー、 ポート・サンライト
マネの『オランピア』『草上の昼食』は、大変な非難を浴びた。しかし、このタデマの官能的で挑発的な絵は何も咎められていない。なぜか。

マネの作品は、現代の場面に裸体を持ってきた。それが理由で、非難を浴びたのである。

タデマの作品は、同じ裸体でも、設定は古代ローマである。植木鉢は、古代ローマ風のブロンズ。大理石のモティーフ。そして題名はテピダリウム(微温浴室)である。

それだけの違いだったのである。設定が古代ローマ的だと問題なかった時代だったようである。

ちなみに、レイトンの『ヴィーナス』もおとがめ無し。もちろん、設定が古代ローマ風だった。

しかし、アルバート・ムーアの "A Venus" は非難の嵐であった。ムーアの作品はそもそも "Venus" ではなくて、"A Venus" であるから、ヴィーナスを描いたとは言えないし、画面設定は、現代の庭先のような感じである。

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