ターナー | |
Joseph Mallord William Turner (1775−1851) | |
イギリス ロマン主義 | |
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Approach to Venice 、1843 | |
National Gallery of Art at Washington D. C. |
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"Approach to Venice (ヴェニスの入り江)" はタイトルが必要なくらい、ぼんやりとした絵である。 その中で、少しでもはっきりしているのが小船である。少し目をこらすと遠くに尖塔が見える程度である。水面も空も、同じ金色に輝いている。 いったいどこから何が始まって、どこで終わっているのか分からない。ただ空間と高さと雲とまばゆい輝きだけである。 絵から受ける印象は、明るいにぎわいに満ちている。まるで世界をちりじりに太陽に向けて投げ上げ、燃え上がらせたようである。 ヴェニスに向けて艀を漕いでいる姿が、主題ではあるが、もう一つ大切なことがある。それは日が沈む姿と月が上ってくる姿の両方をとらえていることである。 画面の中央右よりには、太陽が淡い黄色に輝きながら沈んでいっている。一方、画面左側には太陽の熱さを避けるように、満月が昇ってきている。 ターナーがこの絵を、一番最初に展示したとき、バイロンの詩が添えてあった。 " The moon is up, and yet it is not night, The sun as yet disputes the day with her." |
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