デューラー
Albrecht Durer (1471-1528)
ドイツ   ドイツ・ルネサンス

27歳の自画像  Self-Pertrait 、1498
Oil on panel
52 x 41 cm
Museo Nacional del Prado, Madrid
ドイツでは、まだ画家を芸術家ではなく、職人と考える傾向があった。これは、芸術家としての自尊心を持って仕事に取り組むイタリア人の画家達に接したデューラーにとって、許しがたいことであった。

この自画像は、そういったデューラーの苛立ちが現れている。やせ細り、傲慢できざな若者である。おしゃれで、高価な衣装を身につけ、巻き毛で、まるで貴族のようである。

窓枠の外に見える景色は、遠い山並みへ及ぶ。彼自身が、こんな地方では終わらないと言っているかのようである。そういった、彼の自尊心が大いにあふれ出ている絵なのである。

彼は自尊心というものを、持っていたし、他の人々の自尊心をも尊重した人物なのである。そこがデューラーのすばらしい資質なのである。

戻る

ホームページ | 西洋絵画 | 女流画家 | 聖書の物語 | ギリシャ神話  | 文学