ドゥッチョ
DUCCIO DI BUONINSEGNA
イタリア  初期ゴシック , 1255-1318/19

『ペテロとアンデレの召命』 Calling of Peter and Andrew  1308-11
du02.jpg (55323 バイト) Tempera on wood , 51x 53,5 cm
Museo dell'Opera del Duomo, Siena
『ペテロとアンデレの召命』は、イエスがガラリヤ人漁師の二人の兄弟を、弟子にする場面である。イエスが二人に「人を漁(すなど)る者になるのだ」と呼びかけ、二人は従う。金色に輝く天と、緑がかった海、岩岸にはイエスが立っている。中央の二人はあ然として立っている。平凡な生活に突然起こった奇跡である。

二人は夜中に漁をしていたが、全く釣れなかった。イエスが彼らに向かって、沖で網をかけろ、と言う。二人は見知らぬ人に調子を合わせて、網をかける。網を上げてみるとそこには魚がいっぱいである。

しかし彼らはその魚を見るどころではない。ペテロはイエスを不思議そうに見ているし。赤い衣のアンデレは立ちすくみ、どこか宙を見ている。啓示を受ける瞬間である。何か目に見えないものに耳を傾けているように見える。ゆっくりと、その声を理解している。

イエスの深紅の衣は、キリストの苦難を表し、紫の外衣は高貴な地位を表している。手はやさしく伸ばされ、二人を導いている。イエスは裸足であるが、これはキリスト教徒の象徴である。

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