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グイド・レーニ
(Italian, 1575-1642)                 ポスターはこちら

カラッチ・アカデミーの初期の生徒。

ドイツの詩人ゲーテが、「神のごとき天才」と呼んだ。

レーニは当時、ボローニャだけではなく、ヨーロッパ中で有名であった。しかし、彼の絵は、あまりに信仰深く、真面目すぎる、ということで、時とともにその名声を失っていった。文明が、世俗化していったのが原因している。

その後、レーニの絵画は、絵画衝動のすばらしさを伝えるものとして、最評価されている。

レーニは初め、ボローニャのフランドル画家の工房で学んだ。10年後、カラッチ・アカデミーに入り、古典スタイルを学んだ。

ローマ、ナポリ、マントヴァ、ボローニャで活躍し、教皇ポール5世や、イタリアでも屈指の王族たちをパトロンにしていた。

レーニの作品の優雅な古典スタイルはラフャエロの影響ではないかといわれている。

レーニは、孤独好きな画家で有名であった。女嫌いで、召使いですら、女を雇うことはしなかった。母親だけは違っていた。レーニは、母親をマリアのように愛していた。

ロドヴィコ・カラッチの死後、レーニはボローニャで大きな工房を営み、その名声はヨーロッパ中に広がった。

レーニは自分の生徒たちにいつもこうアドヴァイスしていた。

「神を恐れなさい」。これが、レーニの最初のアドヴァイスであった。

ベアトリーチェ・チェンチ
1662  64.5 x 49 cm  バルベリーニ宮殿(国立古典絵画館)  ローマ
レーニ作と考えられてきたが、エリザベッタ・シラーニ作ではないかという説もある

ダビデとゴリアテ
1605   Oil on canvas, 220 x 145 cm  ルーヴル美術館     聖書
主題解説:ダビデとゴリアテ  (サムエル記)


イスラエルの最初の王。ダビデはユダヤ人の家系、羊飼いであった。預言者サムエルは、主に選ばれし者の印にダビデに香油を塗った。

その時の王はサウルであったが、主の恵みを断たれ、心が乱れ、悪霊に苦しめられていた。

王サウルの心を慰めるために竪琴の名手ダビデが雇われた。


そのころイスラエルとペリシテの間で戦いが始まった。ペリシテ軍にはゴリアテという巨人がいた。

ダビデはサウル王にゴリアテと戦わせて欲しいと願い出た。

ダビデは投石袋から小石を取り出し、石投げ紐で石を飛ばした。小石は巨人ゴリアテの額にのめりこみ、ゴリアテは倒れた。

聖カエキリア
1606   94 x 75 cm   ノートン・サイモン美術館 パサデナ カリフォルニア    聖書
主題解説:聖カエキリア

ローマの殉教者で、音楽家の守護聖人。イタリア語ではチェチリア。

2−3世紀ころ。貴族出身の少女。ローマの貴族と婚約をした。婚約者とその兄弟ををキリスト教に改宗させ、洗礼を受けさせた。その結果、二人はローマの長官に処刑されてしまう。

彼女は異教の儀式を拒否して、死刑を言い渡される。蒸し風呂で窒息死させる刑であったが、彼女は死なず、剣を三度降ろしても、彼女の首に傷がついただけであった。

その後3日間生き延びて、貧しい人々に財産を分け与えた。

絵画では、彼女はなんらかの楽器を持っている。これは結婚式の日に、様々な楽器の音に送られながら婚約者の家に向かったからである。

カエキリアは音楽の守護聖人でもある。

幼児虐殺
1611   Oil on canvas, 268 x 170 cm   ボローニャ国立絵画館         聖書
主題解説:幼児虐殺 (マタイ2)

ヘロデ王は三賢王が帰って来ないので、だまされたと思った。自分に代わって王となる者を放ってはおけない。王は、イエスが生まれたと言ったベツレヘムとその周辺一体にいた二歳以下の男の子を、一人残らす殺させた。

こうして預言者エレミアの預言が実現してしまった。エレミアの預言はこうであった。「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、なぐさめてもらおうともしない。子供たちがもういないから。」  『 嘆きのエレミア』の主題の絵画は多い。


アタランテとヒッポメネス
1612  206 x 297 cm  プラド美術館 、マドリード
主題解説:アタランテとヒッポメネス
オウィディウス 『転身物語 10:560-707)

アタランテは運動と狩りが得意な娘。
求婚者たちに、自分と競争することを強い、求婚者たちが負けると殺した。

ヒッポメネスはヴィーナスから黄金の林檎を3つもらい、アタランテに挑んだ。
走りながら林檎を一つずつ落としたのだ。

アタランテは誘惑に負けて、その林檎を拾いながら走った。

そうしてヒッポメネスはアタランテに勝ち、求婚を成功させた。
絵画ではアタランテが止まってリンゴを拾う場面が描かれる。

母親の肖像
1612  64 x 55 cm   ボローニャ国立美術館

聖ドミニクスの栄光
1613  81 x 62 cm   プラド美術館  マドリード  スペイン
主題解説 ≪聖ドミニクス≫

スペインの貴族の家に生まれた。
ドミニコ会(黒衣の修道士会)の創設者。

若くしてオスマの司教座聖堂参事会員となる。
南フランスを訪れ、シモン・ド・モンフォール指揮下の教皇軍による異端壊滅戦と並行しつつ、アルビ派に対して説教による改宗を勧めた。
ボローニャで没した。

白いトゥニカ(内衣)と頭巾のついた黒いマントをはおるドミニコ会の修道服で描かれる。

オーロラ (暁の女神 ギリシャ神話
1614   Palazzo Pallavicini, Rome, Italy
主題解説 ≪オーロラ(アウロラ)≫ ギリシャ神話の≪曙の女神≫

太陽神ヘリオスの姉妹。ホメロスは『薔薇色の指を持つ』と歌った。
アウロラは毎朝、年老いた夫ティトノスが眠っている間に、太陽神ヘリオスを天空へと、花を撒きながら先導する。

一群の乙女たちは、季節の女神「ホラ」たち。

アウロラの息子メムノンはトロイア戦争でアキレウスと戦い死んでしまう。朝露はアウロラが息子に注いだ涙といわれている。

バッカス

1615-1620   87 x 70 cm   Galleria Palatina (Palazzo Pitti), Florence, Italy

バッコスとアリアドネ
1619-1620    96.52 x 86.36 cm   ロサンジェルス・カウンティ美術館
主題解説 ≪バッコスとアリアドネ≫

クレタ島のミノス王の娘。テセウスに恋した。アリアドネはテセウスに道しるべになる糸玉を与えて迷宮から脱出するのを助けた。しかし、テセウスはアリアドネをナクソス島に置き去りにした。

そこへバッコスがやってきて彼女を救った。バッコスがアリアドネの冠を天に向って投げると、冠は星の輪になり空に輝いた。

スザンナと長老たち
1620   113 x 118 cm   ウフィツィ美術館  フィレンツェ    聖書
ユダヤ女性スザンナが水浴中、二人の長老が言い寄ってきた。スザンナは、長老たちの姿に驚いている。

しかし、スザンナはしっかりと二人を見据えている。神が見ているのだから、何も恐れる事はない。そういった信仰深さが、目元の強さに表れている。

ケンタウロスのネッソスに誘拐されるディアネイラ
1621, ルーヴル美術館
主題解説 ≪ネッソスの殺害≫ (転身物語)

ヘラクレスと妻ディアネイラの旅の途中、ある川にさしかかった。そこではケンタウロス族のネッソスが渡し守をしていた。ヘラクレスを先に向こう岸へ連れて行った。次にディアネイラを渡している時、ネッソスは彼女を犯そうとした。それを見たヘラクレスは弓矢でネッソスを殺した。

ネッソスの体に刺さった矢は、ヒュドラの胆汁から作られた毒が塗ってあった。ネッソスはそれを知っていた。死ぬ直前、何も知らないディアネイラに、毒が回った自分の血を取っておいて、惚れ薬に使うよう言った。

アタランテとヒッポメネス

1622-25  カポディモンテ美術館 、ナポリ

バッカス

1623  72 x 56 cm  Gemaldegalerie, Dresden, Germany    ギリシャ神話

イエスの洗礼
1623   263.5 x 186.5 cm  ウィーン美術史美術館       聖書
主題解説 :イエスの洗礼


洗礼者ヨハネは、ヨルダン川で説教をしていた。そこにイエスがあらわれる。ヨハネから洗礼を受けるためである。
ヨハネはためらい、言った。「私こそ、あなたから洗礼を受けなければならないのに、なぜ私のところへ・・・」
イエスは「今は止めないでほしい。正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいから」と言った。
腰布をまとったキリストは川の流れの中に立ち、岸に立ったヨハネから頭に水をかけられる。イエスに洗礼をほどこしたのである。
イエスが洗礼を受けると、天が開き、神の霊(聖霊)が鳩のように、イエスに向かってきた。そして、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が天から聞こえた。
絵画にあらわれる、白い鳩は、この記述からきたものである。鳩の上には父なる神が描かれることが多い。

クレオパトラの死

1625-30  124 x 94 cm   ヘレンキームゼ城 新宮殿  ポツダム  ドイツ
主題解説 ≪クレオパトラの死≫

アクティウスの海戦で、ローマのアウグストゥスに負けたクレオパトラは、コブラに自分の身を咬ませ自殺した。

聖母戴冠
1626  Musee Bonnat, Bayonne, Gascogne, France   聖書解説
主題解説 ≪聖母戴冠≫

礼拝の対象、あるいは教会の擬人像として描かれた。

聖母マリアに冠を授けるのはキリスト、神、聖三位一体などである。しばしば、天使たちの聖歌隊に取り囲まれている。

キリストが手に書物を持っていることもある。そこには「来たれ、わが選ばれし御方よ。われ汝をわが玉座につかせん」と書かれている。

ヨセフとポテパルの妻
1631    227 x 195 cm  プーシキン美術館 モスクワ
主題解説  ≪ヨセフとポテパルの妻≫(創世記)




ヤコブの6人の息子たちは、父ヤコブが17才の息子ヨセフを一番気に入っていると知って、嫉妬する。ヨセフは父に、他の息子達の悪い噂を伝えたり、ヨセフが「太陽も月も星も、みんな自分に頭を下げる」というような彼の夢を伝えたりした。


息子達は腹を立て、ついにヨセフを、エジプトの隊商に売った。彼らはヨセフの上着を血に浸し、父ヤコブのところへ持っていった。父ヤコブはヨセフが野獣に食われてしまったと思い、悲しんだ。

ヨセフはエジプトへ連れていかれ、軍隊長ポテパルのところへ売られた。ヨセフはポテパルの家の中すべてを任された。幾日もポテパルが留守だったので、その妻はヨセフをベッドへ誘った。しかしヨセフはそれを拒否した。

ついにある日、彼女はヨセフの上着をつかみ、再びベッドに誘った。ヨセフはそれを撥ね退け、逃げた。しかし上着を置いて来てしまった。

軽蔑された女性の怒りほど恐ろしいものはない。ポテパルの妻はみんなを呼んで、ヨセフの上着を見せた。ヨセフが彼女をベッドに誘い、彼女が叫んだので、逃げたと。そのときに上着を忘れていったと。

ポテパルが帰ってきて、妻の話を聞いた。彼は怒って、ヨセフを刑務所に入れた。ヨセフは刑務所から逃げた。ヨセフは夢を解釈する能力を持っていたので、エジプトの王はヨセフを副王にした

聖ヒエロニムス
1635  278 x 238 cm  ウィーン美術史美術館
主題解説 ≪聖ヒエロニムス≫

ダルマチア地方のストリドンに生まれた。4人のラテン(西方教会)教父の一人。

通常は白髪、白髭の老人として描かれる。
絵に描かれる多くは3種類あり、一つは半裸で髪を振り乱し悔悛者の姿。もう一つは書斎で執筆中。そして枢機卿の衣を着けて立つ教会博士である。

各場面で共通した持ち物は、帽子とライオン。

ヒエロニムスは旧約・新約聖書のラテン語訳をした。のちの11世紀、トレント公会議で公認ラテン語テキストに制定された。絵画では翻訳中のヒエロニムスが描かれることが多い。
ライオンもヒエロニムスの持ち物として登場する。
ライオンの足から棘を抜いてあげて、以後そのライオンはヒエロニムスの忠実な友となったという逸話があるからである。(黄金伝説)

クレオパトラの自殺
1635-1640  122 x 96 cm   ピッティ美術館 フィレンツェ

幼児キリストを抱く聖ヨセフ
1635   126 x 101 cm エルミタージュ美術館 、ロシア

後悔のマグダラのマリア
1635  91 x 74 cm  ウォルターズ・アート・ギャラリー
主題解説 ≪マグダラのマリア≫
[聖書] ルカによる福音書7  罪深い女を赦す 

この町に一人罪深い女がいた。イエスがファリサイ派の人の家に入って食事の席に着いておられるのを知り、香油の入った石膏の壷を持ってきて、後ろからイエスの足もとに近寄り、泣きながらその足を涙でぬらし始め、自分の髪の毛でぬぐい、イエスの足に接吻して香油を塗った。

・・・「赦されることの少ない者は愛することも少ない。」 そして、イエスは女に、「あなたの罪は赦された」と言われた。

罪深い女の行為を不信に思い、イエスに訊ねると、多くの罪を持つものは、罪の少ないものより、愛も大きい。そして多く愛したものは赦される、と言って彼女の罪を赦した。罪あるものこそ深く愛さねばならないという教え。

絵画を見るときは、油壷を持っているか、キリストの足もとにいる。

悔悛のマグダラのマリアの場合は、質素な服装で、十字架と頭蓋骨を持っている。
この場合の頭蓋骨は、イエズス会が奨励した精神修養としての死の瞑想で、補助手段としての頭蓋骨。



聖マタイと天使
1635-40   85 x 68 cm  ヴァティカン宮美術館
主題解説 ≪聖マタイ≫

使徒の一人。
カペナウムの取税人だった。収税所で座っているところをキリストに召されて、従った。
福音書記者として描かれる場合の聖マタイの持ち物は、天使のような有翼の人物である。「黙示録の生き物」の一つである。

マタイがその人物から口述筆記する姿が絵画に描かれていることも多い。


この人を見よ
1639  ボローニャ国立美術館
主題解説 ≪この人を見よ≫

ピラトは兵士たちにキリストを鞭打たせ、嘲弄させた。その後、キリストを人々の前に引き出し言った。

「見よ。私はこの人をあなた方の前に引き出すが、それはこの人に何の罪も見いだせないこと、あなたがたに知ってもらうためである」

「見よ。この人を」

祭司長や下役たちは、イエスを見ると「十字架につけよ」と叫んだ。

絵画では、キリスト一人で、茨の冠を頭に載せている姿が描かれることが多い。

横たわるヴィーナスとキューピッド
1639  136 x 174 cm  ドレスデン国立絵画館
ヴィーナスはキューピッド(クピド)の母

洗礼者ヨハネの首を持つサロメ
1639-1640  248 x 172 cm   シカゴ美術研究所
主題解説 ≪サロメ≫

ヘロデ王は、兄弟ピリポの妻ヘロデヤをめとった。それを洗礼者ヨハネが叱責した。

ヘロデ王の妻になったヘロデヤは、ヘロデ王に、ヨハネを逮捕するよう言った。ヨハネは獄に繋がれることになった。

ヘロデが催した宴会で、継娘サロメが舞を舞った。ヘロデ王は夢中になり、望むものは何でもあっげようとサロメに言った。

盆にのせた洗礼者ヨハネの首を所望しなさいと、ヘロデアはサロメに言った。洗礼者ヨハネに復讐するためであった。

牢獄の庭で洗礼者聖ヨハネの処刑が行われた。血のしたたるヨハネの生首を盆に載せて、サロメに差し出した。

マグダラのマリア

慈愛
メトロポリタン美術館  ニューヨーク
主題解説 ≪慈愛≫

信仰、希望、愛の3つの「対神徳」のうちの愛のこと。

14世紀前半のイタリアで、「授乳の聖母」から派生した「慈愛」の新しい形が登場した。
初めは燃える心臓や蝋燭などの古来からのモティーフと組み合わされていた。

受胎告知のマリア
58.5 x 46.5 cm   Landesmuseum, Oldenburg, Niedersachsen, Germany

薔薇を持つ少女
81 x 62 cm   プラド美術館  マドリード  スペイン

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