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アンリ・マティス
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1869-1954)
フランス  フォヴィスト(野獣派)

1869年、ノール県カトー・カンブレジに生まれる。サン・カンタンのコレージュを卒業。

1887年、パリ大学法学部へ入り、資格試験に合格。

1890年、盲腸の手術をして、その回復を待つ間に、模写を始めた。そこから絵画に興味を持つようになった。
書記として仕事をしていたが、カンタン・ド・ラ・トゥールの教室でデッサンを学ぶようになる。

1891年、パリに出て、アカデミー・ジュリアンでブーグローの指導を受けながら、エコール・デ・ボザール入学の試験準備をする。

1892年、エコール・デ・ザール・デコラテーフの夜間クラスに出席する。その時、マルケと知り合う。

1895年、エコール・デ・ボーザールのギュスターブ・モローのアトリエに入学を許可される。ここでは、デヴァリエール、ルオー、アモアン、マンギャンらと知り合う。

1896年、サロン・ド・ラ・ソシエテ・ナシオナール・デ・ボーザールに出品した《読書の女》は政府買い上げとなる。

1898年、結婚。新婚旅行でロンドンへ行き、ターナーに感銘を受ける。コルシカとトゥールーズへも旅行。

1899年、
画家としての、マティスのキャリアは長く、スタイルも様々である。印象派から、抽象画に近いものまで幅広い。

フォヴィスト(野獣派)の画家として出発した。フランスのリヴィエラ海岸地方(南仏)のニースとヴァンスに住み始めてから、色彩への賛美は始まった。

1941年、十二指腸ガンを宣告され、以後、車椅子の生活になった。ヴァンスのロザリオ礼拝堂の壮大な壁画を完成させたのは、そんな状態の中でであった。
マティスは神経質で心配性な気質であった。ピカソは田舎者であることを気にしている、小心者であった。しかし、互いに、そのマイナス面はうまく隠された。

二人とも、独自のスタイルの絵画の中に、その障害となるマイナス面を、うまく昇華させた。ピカソは絵画の中で、女性に対する恐怖心を焼失させた。マティスは、絵画を描くことで、神経質な気分を落ち着かせていった。
マティスは「野獣派の王」として有名になった。しかし、この紳士的で、知的な画家にとって、野獣派という言葉自体、不似合いである。マティスは情熱的ではあるが、野性的などでは決してない。
(無断転載禁止)

緑の筋のある女:マティス夫人 Green Stripe ( Madame Matisse )  、1905
Oil and tempera on canvas, 40.5 x 32.5 cm
Royal Auseum of Fine Arts, Copenhagen, Denmark
フォーヴ(野獣派)時代の代表作から見ていこう。

1905年、驚くような、妻の肖像画を描いた。肖像画のスタイル自体は、それまでのように型にはまっている。しかし、マティスは、妻の印象を説明するために、色だけを使っているのである。

妻のうりざね顔を、中央の緑色の縦線で、二つに分け、人工的な影の線を作っている。妻の冷めた一面と、温かみのある一面を表現しているのである。右側は暖かな肌色で、左側は冷たい感じの色になっている。

頭の上で結んである髪は、紫色である。背景は三色で、けっして控えめとはいえない。右側は緑色、冷静な妻。左側は藤色とオレンジ色。彼女の着ている洋服の色とぶつかり合うような、激しさのある、情熱的な妻。

人間の一面を描いていた従来の肖像画とは、なんとかけ離れたことか。

人間は一面だけではありえないし、一つの性格だけではない。多様である。しかし、全体的には、調和のとれた、一人の人間なのである。

The Conversatin  、1909
177 x 217 cm, Oil distemper on canvas
The Hermitage : St.Petersburg
次の時代は実験的であった。三次元空間を捨て、単純な色と平面的な絵画のスタイルを選び、その中に、知的に力強く何かを訴えるように絵画を描いた。

その一つが The Conversation である。夫と妻の「会話」である。しかしその「会話」には、声に出す言葉はない。

二人は対立している。マティスの自画像である男は、支配的に直立している。

女は不機嫌に、椅子にもたれかかっている。いや、椅子に閉じ込められているのである。肘掛は彼女を取り囲んでいる。

椅子自体が、背景に呑みこまれていて、区別がつかない。彼女は身動きが取れない刑務所の中にいるのである。

窓は開かれ、その向こうには、明るく和やかな庭がある。彼女が行きたい場所。窓は逃亡を示唆しているが、鉄枠はそれを不可能だと思わせるほど、しっかりとしている。

男はパジャマ姿である。高く、そびえるように直立し、彼女の無言の抵抗と対立している。

パジャマの縦線がまっすぐ入っていて、男の堅実さを物語るが、ある意味、融通性の無さも示唆している。首は太くて、厚く、まっすぐに筋の通っている男の輪郭は、まったく頑固な、激しさを持つ矢のようである。

この敵意のある会話の場面の、ただ一つの言葉は、窓の鉄枠の装飾に書かれている。NON である。彼は、女が行きたがっている、外の世界に向かって、NON と言っているのだろうか。

≪残念ながら著作権の関係上、画像を載せられません。

修業時代 1890−99
静物 本とキャンドル  1890  個人蔵
 
 
 静物 本  1890  マティス美術館  ニース
 
 
 青い水差し  1899-1891  プーシキン美術館 モスクワ
 
 
 土鍋のある静物  1892   個人蔵
 
 
 読書する女性 1894   パリ市立近代美術館
 
 
 モローのアトリエ  1895   個人蔵
 
 
 橋  1895  個人蔵
 
 
ベル=イル=アン=メール  1896  個人蔵
 
 
 
ベル=イル=アン=メール  1896  個人蔵
 
 
 ブルターニュ (ボート) 1896  個人蔵
 
 
 シルクハットのある室内 1896  個人蔵
 
 
 灰色の海  1896  個人蔵
 
 
 レモンとダッチジン  1896  ニューヨーク近代美術館
 
 
 メイド  1896  個人蔵
 
 
オープン・ドア、ブルターニュ  1896   個人蔵
 
 
 ベル=イル=アン=メールの宮殿の一部  1896  個人蔵
 
 
 バンゴールの風景  1896  個人蔵
 
 
 静物  黒のナイフ   1896  ファーブル美術館  モンペリエ フランス
 
 
 静物 果物  1896   個人蔵
 
 
 静物  フルーツと瓶  1896   個人蔵
 
 
 静物 ぶどう   1896  個人蔵
 
 
 ベル=イル=アン=メール   1897  個人蔵
 
 
 青い鍋とレモン   1897  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク
 
 
 ブルトンの風景   1897   個人蔵
 
 
 ベル=イルの崖   1897   個人蔵
 
 
 夕食のテーブル   1897  個人蔵
 
 
 ブルターニュの畑、ベル=イル   1897  個人蔵
 
 
 ブルターニュの農場  1897  個人蔵
 
 

サン・ミシェル橋、パリ  1895-97  個人蔵
 
 
 ベル=イル=アン=メールの港   1897  個人蔵
 
 
 ベル=イルの眺め  1897  個人蔵
 
 
ひまわり  1898  個人蔵
 
 
 コルシカの風景  1898    個人蔵
 
 
 水車の中庭  1898   マティス美術館  ニース
 
 
フルーツとコーヒーポット  1898  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク 
 
 風景  1898  個人蔵
 
 
 風景、コルシカ  1898   個人蔵
 
 
オリーブの木  1898  個人蔵
 
 
 紫のドレスを着て本を読む女性  1898  ランス美術館、フランス
 
 
 古い水車小屋の小さなドア   1898   個人蔵
 
 
オレンジのある静物  1898  個人蔵
 
 
 水差しと果物の静物   1898   個人蔵
 
 
 コルシカの夕日   1898   個人蔵
 
 
 アルクイユ  1899  個人蔵
 
 
 静物  オレンジ  1899  個人蔵
 
 
画室の裸婦  1899  ブリジストン美術館  東京
 
 
 病気の女性  1899  ボルチモア美術館  メリーランド州
 
 
 食器棚とテーブル  1899  個人蔵
 
 
 静物 逆光  1899   個人蔵
 
 
 オレンジのある静物  1899  ミルドレッド・レーン・ケンパー美術館  セントルイス  ミズーリ州
 
 
 トゥールーズの風景  1898-1899
 
 
 ひまわり  1898-99  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

 パリの風景  1899  個人蔵 
 
 

フォーヴの時代 1900-08
 
 ガロンヌの土手  1900  個人蔵
 

テーブルの上の食器  1900  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク
 
 調和  室内  1900   マティス美術館  ニース
 
 
 ノートルダム  1900  テート・ギャラリー  ロンドン
 
 
 ノートルダム  1900  個人蔵
 
 
 サン・ミシェル橋   1900  オリエンタリスト美術館  マラケシュ  モロッコ
 
 
 サン・ミシェル橋  1900  ポンピドゥー・センター
 
 
パリの サン・ミシェル橋  1900  個人蔵
 
 
 自画像  1900  個人蔵
 
 
 自画像  1900  国立近代美術館、パリ
 
 
 スノーボール  1900  個人蔵
 
 
 チョコレート・ポットのある静物  1900  個人蔵
 
 
 橋  1901   個人蔵
 
 
 皿とフルーツ   1901  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク
 
 
 日本の着物を着ているマティス夫人  1901    個人蔵
 
 
 ジェーン・マティス  1901  個人蔵
 
 
 スイスの風景  1901   個人蔵
 
 
 クリスタルの花瓶の花   1902  個人蔵  
 

ルクセンブルグの庭  1901  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

 中国の花瓶の中の菊  1902  個人蔵
 
 夕方近くのノートル・ダム  1902   オールブライト=ノックス美術館
 
 
 紫の壁のノートルダム  1902  個人蔵
 
 
 ブーローニュの森の小道  1902  プーシキン美術館
 
 
 ノートルダムの眺め  1902  個人蔵
 
 
 ギタリスト  1903  個人蔵
 
 
ルクセンブルクの庭  1902-3
 
 
 ピカルディスピナー    1903  個人蔵
 
 
 静物   1902-3    サンフランシスコ近代美術館
 
 
 静物  チェックのテーブルクロス  1903   個人蔵
 

軒下のスタジオ   1903  フィッツウィリアム美術館  ケンブリッジ大学

 庭で読書する女性  1902-03   個人蔵
 
 
 風景   1903-04   個人蔵
 
 
サン=トロペの風景  1904  個人蔵
 
 
 サン=トロぺ湾   1904   ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館  デュッセルドルフ  ドイツ
 
 
 ノートルダム  1904  個人蔵
 
 
コリウールの眺め
1905  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

赤と黒のカーペット上の皿とフルーツ
1906   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

花瓶、ボトルとフルーツ   1906  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

テラスの女性
1907   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク


1907  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

ダンス・モロッコ時代 1908-13

ニンフとサテュロス
1908   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

ボール遊び
1908   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

赤い部屋(赤い調和)
1908  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

「ダンス」のある静物
1909   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

青いテーブルクロスと静物
1909   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

ダンス
1909-1910  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

音楽
1910   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

赤いチェストの上のピンクの小像と水差し
1910  エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

静物 セヴィリア
1910   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

静物 スペイン
1910   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク
  

チューリップと少女
1910   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

茄子のある室内
1911  グルノーブル美術館  グルノーブル  フランス

画家の家族
1911   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

会話
1908/12    エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

立てるゾラ
1912    エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

ベランダの花
1912   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

グリーンの衣装のモロッコ人
1912   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

アイリス
1912   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

マティス夫人の肖像
1913   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

ムーア人のカフェ
1913   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク


開いた窓の時代 1914-17

 ブラックショール   67.3×128.9 cm  1917  |ノートン・サイモン美術館、パサデナ、カリフォルニア州
 
 
 Lorette with Cup of coffee  57.8×40 cm  1917 | シカゴ美術研究所、イリノイ州
 
 
 The artist and the model  97×147 cm  1917 |ポンビドゥー・センター、パリ
 

ニースの時代 1918-30

 花瓶と花   1924  60.6×73.7 cm  |ボストン美術館、マサチュセッツ州、アメリカ合衆国
 

バレリーナ
1927   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

ニースの時代U 1931-54

習作 ダンス(バーンズ財団の依頼で制作された壁画の習作)
1931   メトロポリタン美術館  ニューヨーク市

マティス 《 大きな横たわる裸婦 》 1935 | ボルティモア美術館、メリーランド州、アメリカ

マティス 《 緑のブラウス 》 1936 | コペンハーゲン国立美術館、デンマーク

マティス 《 タヒチの窓 》 1935-36 | マティス美術館、ニース

青のブラウスの若い女性
1936   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

マティス 《 青いドレスの女性(大きな青いドレスとミモザ 》 1937 | フィラデルフィア美術館

マティス 《 紫のコート 》 1937 | ヒューストン美術館

マティス 《 音楽学校(二人の女性と犬 》 1937-38 | 個人像

マティス 《 会話 》 1938 | サンフランシスコ近代美術館

マティス 《 読書する人 黒の背景 》 1939 | パリ近代美術館

マティス 《 音楽 》 1939 | アルブライト・ノックス・アート・ギャラリー、バッファロー、ニューヨーク

デイジー(ヒナギク)
1939   シカゴ美術研究所

マティス 《 休息するダンサー 》 1939-40 | トレド美術館、オハイオ、アメリカ

マティス 《 夢 》 1939-40 | 個人蔵

マティス 《 エトルリア花瓶と室内 》 1939-40 | クリーヴランド美術館、オハイオ、アメリカ

マティス 《 ルーマニア風のブラウス 》 1939-40 | パリ近代美術館

マティス 《 眠っている女性と静物 》 1939-40 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

マティス 《 牡蠣と静物 》 1940 | ベーゼル美術館、スイス
 
 黒大理石の上にある貝   54×81 cm   1940 |プーシキン美術館、モスクワ、ロシア
 
 
 エトルリアの花瓶と室内   102.2×129.5 cm  1940 |クリーブランド美術館、オハイオ州、アメリカ合衆国
 

マティス 《 マグノリアと静物 》 1941 | パリ近代美術館

マティス 《 花の妖精 (ラ・ヴェルデュール)》 1942 | マティス美術館、ニース

マティス 《 太陽の光 》 1942 | マティス美術館、ニース

マティス 《丸ひだ飾りの花瓶とアネモネ 》 1943 | 個人像

マティス 《 フラデリ模様の背景とレモン 》 1943 | Moma、ニューヨーク

マティス 《 リュート 》 1943 | 個人蔵

マティス 《 黒い背景のチュッリップと牡蠣 》 1943 | ピカソ美術館、パリ

マティス 《 白いドレスの若い女性、赤の背景 》 1944 | 個人蔵

マティス 《 青いスケッチブック 》 1945 | ベルリン国立美術館

マティス 《 ベネチアン・レッドの室内 》 1946 | ブリュッセル王立美術館、ブリュッセル

マティス 《 黄色と青の室内 》 1946 | パリ近代美術館

マティス 《 白いドレスの若い女性、赤の背景 》 1946 | パリ近代美術館

マティス 《 小さな青い室内 》 1947 | シュトゥットガルト州立美術館、シュトゥットガルト、ドイツ

マティス 《 赤い室内:青いテーブルの上の静物 》 1947 | デュッセルドルフ市立美術館、ドイツ

マティス 《 ザクロの静物 》 1947 | マティス美術館、ニース

Portrait of Lydia Delectorskaya
1947   エルミタージュ美術館  サンクト・ペテルブルク

マティス 《 エジプト風のカーテンの室内》 1948 | 115.9 x 88.9 cm | フィリップス・コレクション、ワシントンD.C.

マティス 《 大きな赤い室内 》 1948 | 146 x 97 cm | ポンピドゥー・センター・国立近代美術館、パリ


1951   メトロポリタン美術館  ニューヨーク市

マティス 《 王の悲しみ》 1952 | 292.74 x 386.08 cm | パリ近代美術館

マティス 《 かたつむり 》 1953 | 286.39 x 281.94 cm | テイト・モダーン、ロンドン、イギリス

展示会ポスター
1954   インディアナポリス美術館 インディアナ

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