マゾリーノ・ダ・パニカーレ | ||
Masolino da Panicale ( 1383-1447) | ||
イタリア 初期ルネサンス | ||
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サンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂 ブランカッチ礼拝堂、フィレンツェ | ||
足萎えの治癒とタビタの蘇生 | ||
1426-27 Fresco, 255 x 162 cm |
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マザッチョが描いた、と言っても専門家以外は、誰もが信じてしまいそうである。それほど、マザッチョのスタイルに酷似している。 国際ゴシック様式の装飾性を完全に捨て去り、リアリズムを再現している。 手前左がわは、イェルサレム神殿前で、ペテロがヨハネを伴い、生まれつき足の萎えた男を治しているところ。使徒行伝3章の場面である。 手前、右側は、敬虔な女性タビタを生き返らせる場面である。(使徒行伝9章)。 背景は当時のフィレンツェの様子である。 こうした、聖書の物語を現実の生活の中に描くのは、マザッチョの手法である。 上の『受胎告知』と比べて見ると、明らかにマザッチョの影が色濃いのが分かる。 マゾリーノはここまで、マザッチョの様式に近づいていった。しかし、この後、先にも書いたように、マザッチョの前から姿を消すのである。 この酷似が、マゾリーノを苦しめたに違いないと憶測してしまうのは、考えすぎであろうか。 |
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