マザッチョ
Masaccio (1401−1428)
イタリア   初期ルネサンス 、フィレンツェ派

聖母子(ピサ祭壇画) Madonna with Child and Angels
1426
マザッチョの初期の作品のひとつである。

聖母マリアはずんぐりとしていて、彫刻的な威厳がある。重さ、影がしっかりと描かれている玉座に座っている。

聖マリアが抱く赤ん坊のキリストは、本当の赤ん坊である。指をしゃぶり、空中を見つめている。それまでの、ビザンチンの王といった赤ん坊とは違っている。

これは、宮廷風に洗練された国際ゴシック様式の、たとえばジェンティーレとは正反対といってもいい。

ジェンティーレとマザッチョが生きていた時代は重なっている。亡くなった年も一年しか違わない。二人の絵画を比較すると、マザッチョの革新性が明白に分かる。

マザッチョの作品は、人間的な情念の表現が増し、強められている。聖母マリアには強さと傷つきやすさが美しく混在している。

音楽を奏でている天使たちも、丸々としていて、真剣な表情である。

そして、徐々に科学的な遠近法に近づいているのが分かる。

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