グリューネヴァルト
Matthias Grunewald (1470/80-1528)

一枚目  Isenheim Altarpiece (first view)
c. 1515
Oil on wood
Musee d'Unterlinden, Colmar
この祭壇画が置かれていたのは、アントニウス教団の修道院であるが、そこは病院でもあった。中世、「聖アントニウスの火」と呼ばれた病気にかかった人々のために設立された。この病気は壊疽性あるいは痙攣性の麦角中毒ではないかとされる。壊疽は手足の切断にまで至る。

聖アントニウスは、この病気を防ぐ守護神であった。

病人が修道院に入ったときに、初めに案内されるのが、この祭壇であった。苦しみからの治癒を求めて来た人々が目の当りにした祭壇画である。三重の扉になっていて、最初の絵は、「キリストの磔刑」を中心に、左側が「聖セバスティアヌス」、右側が「聖アントニウス」である。下の横長の絵は「キリストの埋葬」である。

一枚ずつ鑑賞してもいいが、つなぎで見ることも、その象徴的な意味を取るという意味では、大切である。

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