グリューネヴァルト
Matthias Grunewald (1470/80-1528)

聖セバスティアヌス St Sebastian
c. 1515
Oil on wood, 232 x 76,5 cm
Musee d'Unterlinden, Colmar
聖セバスティアヌスは、3世紀、ディオクレティアヌス皇帝の時代、仕官であった。密かにキリスト教徒となっていたが、それが露見してしまう。弓矢での射殺刑に処せられ、その場に放置された。しかし、矢は致命傷とはならず、イレネという寡婦が看護したという。

このように矢から蘇生した聖セバスティアヌスは、4世紀に、疫病の守り神として信仰が始まった。古代人が、病気はアポロの矢によって引き起こされると信じていたところからも、起源がある。14世紀、この信仰は著しく普及し、礼拝画が制作された。

グリューネヴァルトの描いたこの絵が、病院のために描かれたのも、こういった信仰からである。

聖アントニウス同様、彼らが乗っている木の葉の台、円柱、衣服や肉体の表現等、そのリアリズム表現は、ヨーロッパ絵画の一つの頂点に達していることを物語っている。

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