グリューネヴァルト
Matthias Grunewald (1470/80-1528)

隠者聖アントニウス St Antony the Hermit
c. 1515
Oil on wood, 232 x 75 cm
Musee d'Unterlinden, Colmar
エジプトの砂漠で生きた聖アントニウスは、両親の死の際に、その財産を貧者に与え、砂漠に隠遁した。修道院制度の創始者と考えられている。

11世紀、ヨーロッパを襲った疫病のさい、彼の名で様々な治療が行われた。「聖アントニウスの火」という病名で知られることになった。

聖アントニウスの持ち物であるT字型の杖は、エジプト十字の形をしており、古代エジプトにおいては不死の象徴であった。通例、髭を蓄えた老人の姿で描かれ、鈴を持ち、豚が傍にいる。豚の脂を治療に使用したからである。鈴は、豚の首にかけられ、聖アントニウス救済修道会の豚であることが分かるようになっていた。また、鈴は、悪霊を祓うため、広く用いられていた。

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