ブリューゲル
Pieter Brueghel the Elder (1525-1569)
フランドル  北方ルネサンス

The Toser of Babel バベルの塔 、1563  
Oil on oak panel
ウィーン美術史美術館
『バベルの塔』は恐ろしいほど複雑である。高慢な権威に縛られた人間を、小さく描き、巨大な建造物の中で働く者たちを、まるで、アリのように、小さく小さく描いている。

これがバベルの塔である。我々の狭い見識の現れである。哀れで、うぬぼれた人間である。

ブリューゲルは、高い教養を持ち、知的に洗練された画家である。神話や伝統への洞察力は学者並みである。

彼の『バベルの塔』は、単なる、聖書の物語のイラストではない。

ブリューゲルは決して、表面的な浅い絵を描かない。いつも深いものを描いた。ギリシャ神話の『イカルスの堕落』だろうと、聖書の『バベルの塔』だろうと、深く、意味を掘りさげて描いた。

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