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フランス  古典主義

16世紀はハプスブルク家の威圧との戦い、新教と旧教の対立する宗教戦争と、動乱の時代であった。

そんな時代を終わらせたのが、アンリ4世(在位1589-1610)である。ナントの勅令を発し、宗教戦争に決着をつけたのであった。

アンリ4世は、宰相シュリーとともに、荒廃したフランス国土を回復させ、民衆に安定を与えたのである。治世は長くはなかったが、次に続く、「偉大なる世紀」の礎を築いた。

その後、後を継いだのはルイ13世(在位1610-1643)である。しかし、まだ9歳であった。そこで、国政は母親のマリー・ド・メディシスの手に委ねられた。しかし、マリーの摂政時代は、再び、国内混乱をもたらした。貴族や議会が、これを機会に王権を制限しようとしたのである。

救世主は宰相リシュリューである。新教徒への弾圧、貴族への強攻策で、王権の強化に対外的にもフランスは地位を高めた。

1642年、この有能な宰相リシュリューが世を去り、その翌年、ルイ13世が世を去った。

次は、いよいよ、ルイ14世である。しかし、ルイ14世は、わずか5歳であった。

国政補佐は宰相マザランである。はじめは王権に対する貴族の巻き返しの乱である「フロンドの乱」などあったが、マザランはすべて、うまく乗り切った。

1662年、マザランが世を去った。そして、絶対王政の仕上げは、最初は5歳の子供だった、ルイ14世であった。自らが国政をとったのである。

17世紀はフランスにとって、「偉大なる世紀」である。

太陽王ルイ14世の絶対王政の下、政治的には、他のヨーロッパを圧倒し、芸術・文化の分野においても、フランス文化の基礎を築き上げた世紀である。


17世紀フランスは、国家統一へと足を進めていた。ここから、ベルサイユ宮殿建築へと流れていく。


美術の分野でも、17世紀初頭はバロックの影響下であったが、17世紀中頃には、独自のフランス古典主義を確立していく。

17世紀前半、アンリ4世のころ、ローマではカラヴァッチョを中心とするバロックの嵐である。フランスは、1627年、ヴーエがイタリアから戻ってくるまでは、絵画は停滞していた。

ルイ13世の母、「マリード・メディスの生涯」の連作を描いたのは、フランスの画家ではなく、フランドルのルーベンスであった。

バロックの立役者であるイエズス会の教団活動が弱かったし、宗教戦争の痛手がかなり大きかったのが、理由である。

フランスにおいて、最も活発であったのは、ロレーヌ地方ナンシーであった。イタリアとフランドルの交通の要衝であった。ここでは、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールクロード・ロランの天才を生んでいる。


1648年に創設された、絵画彫刻アカデミーは、1663年以降、王室の保護下に組み込まれた。「私は国家である」という太陽王ルイ14世の言葉の通り、芸術は「王を賛美するもの」であった。プサンの弟子であるルブランが、王立絵画彫刻家アカデミーの校長になり、古典主義を宮廷の様式にしていった。

王室の仕事は、アカデミーのメンバーでなくてはできなくなったのである。当時は、芸術家の仕事は、王室の仕事(ヴェルサイユ宮殿をはじめとする装飾事業など)が主であった。

逆にいうと、アカデミーのメンバーにならないと、仕事ない、ということである。

それは、必然的に、アカデミーの権威を高めていくことにもなる。

1667年、アカデミーでは教育制度が整えられた。アカデミーの美学が成立したのである。

当時、イタリアの劇的なバロック芸術とは違った、また、フランドルの自然主義とも違った、フランスの古典主義を決定的にしたのも、このアカデミーの美学であった。

そのままある自然ではなく、あるべき理想の自然を、合理的に、追求する。 感覚的な表現だけでは、格が低いとみなされた。それがアカデミーの美学となった。

そのアカデミーの理想追求の精神は絵画の主題によって、序列を決めていた。

神話的主題、宗教的主題、歴史画が、最も格の高い絵である。

神より低い位置にある人間の肖像画は、もっと格が低い。

風景画は、人間より自然は格が下、ということで、肖像画の下。

静物画は、無生物、ということで、一番下、という具合である。

ヴァランタン・ド・ブーローニュ  (1594-1632)
シモン・ヴーエ (1590-1649) 
フィリップ・ド・シャンパーニュ  (1602-1674)
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール   (1593-1652)
ル・ナン3兄弟  ( 1600-)
ニコラ・プッサン   ( 1594-1665)
クロード・ロラン  (1600-1682)
デュゲ  ( 1615-1675 )
ブルドン  (1616-1671)
ル・ブラン  ( 1619-1690 )
ミニャール  ( 1612-1695)
ノエル=ニコラ・コワペル (1628-1707)
ラ・フォッス  ( 1636-1716 )
ジューブネー Jean Jouvenet
ボン・ブーローニュ   (1649-1717)
イアサント・リゴー  ( 1659-1743 )

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